債務整理をすると車を手放さなければならない？債務整理が車に及ぼすデメリットをご紹介

「債務整理を考えているけど、車を手放さないといけないのか不安だ。」
「債務整理をすると車を所有することはできないと聞いたけど本当かどうかわからない。」
地域や職業上の理由で車が必要な場合、債務整理を行うことで車にどのような影響が及ぶか不安に感じられる方が多いのではないでしょうか。

債務整理の手続によっては車を手放すことになる可能性があります。

今回は、債務整理のデメリットとして、債務整理の手続によっては車を手放すことになる点ついてご説明します。

１．債務整理が車に及ぼす３つのデメリット

日常生活で車が必要な方が債務整理を行うとどのようなデメリットがあるのでしょうか？
以下、ご説明します。

（１）車が引き上げられる可能性がある

個人再生や自己破産といった債務整理の手段を選ぶと、車が引き上げられる可能性があります。

債務整理には、任意整理・自己破産・個人再生という3つの手続があります。

車のローンを組んでいる場合、ローンを完済するまでは車の所有権は債権者のものという、所有権留保が車に設定されています。

そのため、車のローンを債務整理の対象にすると、債権者によって車が引き上げられてしまうのです。

また、自己破産をする場合には、資産として評価されるものは、債権者への配当に回すことになっています。

資産として評価される基準は裁判所によっても異なりますところ、車の処分見込み額が20万円以上になる場合には資産として評価され、売却の対象になる可能性が高いです。

このように、車のローンを任意整理の対象としたり、個人再生・自己破産を行ったりすると、車が引き上げられる可能性があります。

（２）車のローン・車検時のクレジットカードの使用ができない

車をこれから購入しようと検討している場合、債務整理をすると、車を購入する際にローンを組むことができません。

また、車検の際にクレジットカードを利用することもできません。

債務整理をすると、事故情報として信用情報機関に登録されます。

ローンやクレジットカードの申込みがあった際に、金融機関等は信用情報を照会しますが、事故情報が登録されている場合、審査対象者に信用性が無いと判断されます（ブラックリスト入り）。

なお、ブラックリスト入りは生涯続くものではなく、債務整理の種類や信用情報機関の運用によって、一定期間で事故情報は削除されます（5年から10年）。

信用情報機関から事故情報が削除されるまでは、ローン・クレジットカードの申込みはできませんので、注意が必要です。

（３）ETCカードが使えない

ETCカードは高速料金専用のクレジットカードになりますので、債務整理すると使用できません。

上述したとおり、ブラックリスト入りすると、新たにETCカードを作る際に審査が通らず、作ることができなくなります。

また、現在ETCカードを持っている場合でも、更新のタイミングで信用情報の照会が行われますので、事故情報が信用情報機関に登録されている場合、利用できなくなります。

２．どうしても車を使う生活を維持したい場合の３つの対策

債務整理が車に及ぼす影響を解説しました。

では、車を使う生活を維持するためにはどのような方法があるのでしょうか。

ここからは、車を使う生活を維持するための3つの対策を紹介します。

（１）任意整理を検討する

債務整理には、任意整理・自己破産・個人再生という3つの種類がありますが、任意整理の手続を選ぶと、車のローンを任意整理の対象外にすることができます。

自己破産・個人再生はすべての債権者相手に手続を行うので、車のローンも含まれます。

これに対して任意整理は、手続を行う債権者を選ぶことが可能です。

そのため、車のローンを任意整理の対象から外せば、債務整理を行っても車を持ち続けることが可能です。

（２）車の購入や車検の費用を一括現金で払う

車の購入資金や、車検の費用を計算し、現金一括で払えるように準備することを推奨します。

車のローンや車検をクレジット払いすることができないとはいえ、車の購入・車検ができなくなるわけではなく、費用を一括で支払えば可能になります。

そのため、車の購入、車検費用を計算に入れて債務整理後の生活を組み立てる必要があります。

債務整理を依頼する際に、家計をきちんと見直して、本当に無理なく返済できる金額がいくらなのかを確認して相談に臨むことが大切です。

（３）レンタカーを利用する

債務整理をした後、どうしても車を利用しなければならない場合は、レンタカーを利用することが考えられます。

レンタカーを借りる際に現金で支払うことができれば、ブラックリスト入りに関係なくレンタカーを借りることができます。

自己破産や個人再生の手続中で、やむを得ず車を使う必要がある場面でレンタカーを利用する方は多いです。

（４）デポジット方式のETCパーソナルカードを利用する

ETCカードが利用できない場合、ETCパーソナルカードというデポジット方式のカードがあります。

事前にお金を入金する必要はありますが、ETCカード同様にETCを利用することができます。

クレジットカードの利用が必要なETCカードは債務整理を行うと利用できませんが、どうしてもETCを利用したい場合は、ETCパーソナルカードの利用を検討してみてはいかがでしょうか。

３．自分に適した債務整理の方法を知りたい方は弁護士法人みずきへ相談

自分に適した債務整理の方法を知りたい方は、弁護士法人みずきへご相談ください。

ご相談者様のご意向に沿うように、車を使った生活が維持できるか否かを検討し、債務額や返済可能な額がいくらあるかを踏まえて、最適な手続をご提案します。

借金のお悩みをおひとりで抱え込まず、弁護士法人みずきと一緒に今後の計画を考えましょう。

まとめ

この記事では、債務整理を行った場合、車を所有することができるかは債務整理の手続によって異なるとお伝えしました。

債務整理は借金のお悩みから解放される手段ですが、どの手続をとるかで今後の生活に及ぼす影響が異なります。

債務整理後による生活への影響を把握し、どの手続がご自身にとって最善なのかを検討することは大切です。

弁護士法人みずきにお気軽にご相談ください。